NEWSROOM

アルファ ロメオ「Milano」、その名前に込められた歴史

作成者: Stellantis Japan|2023年12月15日

【2023年12月14日、イタリア発】

  • その名はMilano(ミラノ)。アルファ ロメオは、スポーティなDNAを持つブランド初の「スポーツ アーバン ビークル」として、歴史的価値の高い名前を選択した。100%電気自動車のモデルもラインアップする。
  • 故郷への明確なオマージュとしてミラノは、世界におけるメイドインイタリアのアンバサダーだけでなく、国際的なデザインの中心地、革新と持続可能性の象徴、そして自動車の電動化におけるパイオニアとも言える都市である。
  • 1910年以来、アルファ ロメオのエンブレムは、ロンバルディア州都の歴史的シンボルである十字架と、貴族ヴィスコンティ家の紋章であるビショーネ(蛇)で構成されている。60年以上にわたって(1910年~1972年)その都市の名は、アルファ ロメオのエンブレムにとって不可欠なものであった。
  • アルファ ロメオMilanoは、2024年4月にゆかりの地であるミラノで国際プレス向けに発表される。
  • アルファ ロメオはこの機会を利用して、2021年のステランティス設立を振り返る。発表された計画が着実かつ厳格に実施され、電気自動車への移行プロセスが完全に遵守、さらに品質目標が達成されて、世界的に評価されたかを確認する。
  • 2023年における販売は、世界的に堅調な伸びを示しており、11月までの数字は2022年比で34%増となっている。

2024年4月、アルファ ロメオはミラノにおいて、ブランド史上初の「スポーツ アーバン ビークル」を世界に向けて発表します。100%電気自動車のモデルも用意される、その名はMilanoです。これは、1910年6月24日にアルファ ロメオが生まれた都市へのオマージュとして選ばれました。

このMilanoで、アルファ ロメオは高貴なイタリアン・スポーティネスというブランドのDNAを完全に体現する新たな野心とともに、欧州最大の市場であるBセグメントに復帰します。ブランド初の100%電気自動車である「スポーツアーバンビークル」は、アルフィスティ(アルファ ロメオのファン)だけでなく、このセグメントでアルファ ロメオの復活を待ち望んでいたすべての人々にとって、アルファ ロメオ・ワールドへの新たな入り口となります。

ジャン・フィリップ・インパラート - アルファ ロメオCEO

「2024年に登場するMilanoにより、アルファ ロメオは、当ブランドを愛するすべてのファンと新たなお客様の期待に応えるラインアップを完成させることができます。Milanoは、すべてのアルフィスティを「おかえりなさい」という言葉で迎える象徴的な意味を持つモデルです。Giulietta(ジュリエッタ)やMito(ミト)に乗るアルフィスティは、アルファ ロメオへの愛情を確かめられる機会を待ち望んでいます。また、Milanoは、このセグメントにおいて他のブランドでは味わえないスポーティな体験と、イタリアンデザイン独特の美しさを求める人たちを歓迎するモデルでもあります。
Milanoは、電気自動車への移行プロセスにおける最初のマイルストーンであり、Tonale(トナーレ)同様、アルファ ロメオの世界的なプレゼンスをさらに強化するという、重要な任務を担っています。」

「Milano」という名前の選択、そこに凝縮されたブランドの歴史

自動車のエンブレムほど、そのメーカーのアイデンティティを雄弁に物語るアイテムはありません。1910年以来、アルファ ロメオのエンブレムには、ミラノを象徴する2つのシンボルが描かれてきました。ロンバルディア州都の歴史的シンボルである十字架と、貴族ヴィスコンティ家の紋章であり、ミラノを象徴する紋章のひとつになっているビショーネ(蛇)です。そして、60年以上にわたって(1910年から1972年まで)、エンブレムの下部に「MILANO」の名が記されていました。上部には、1918年までは「A.L.F.A.」(Anonima Lombarda Fabbrica Automobili ロンバルダ自動車製造会社の頭文字)、1919年以降は「ALFA ROMEO」と記されていました。

いつの時代もアヴァンギャルドを象徴する都市であるミラノは、今は先進性、革新性、持続可能な国際的象徴として役割を果たしています。芸術とメイドインイタリアのアイコンとして世界的に知られるミラノは、ファッション、デザイン、音楽の分野で常に重要な文化的役割を果たしてきました。アルファ ロメオの歴史に、21世紀におけるスポーティさの再確認という、刺激的で大胆かつ新しい章を刻むために、アルファ ロメオはその故郷の名前Milanoを選びました。

したがって、この選択は、過去のモデルの象徴的な名前や、最近使われている峠の名前を超越した意味合いを持ち、イタリア生まれというその起源と再び結び付けています。その名前には、
アルファ ロメオが常にユニークなブランドであり続けた価値を世界中に広めるという、大胆な狙いが込められているのです。

ステランティス設立から約3年を経た、ブランドのバランスシート

2023年におけるアルファ ロメオ・ブランドの業績は、2021年のステランティス設立時に決定された長期製品計画の戦略を、着実かつ厳格に実施したチームの仕事に対する当然の評価といえます。この期間に達成された最も重要な目標について、以下に詳しく説明します。

-    ブランドの黒字転換 - この目標は同じ年(2021年)の下半期に達成されました。

-    資金が投入された長期的な製品計画 - アルファ ロメオが「From 0 to 0(フロム ゼロ   トゥ ゼロ)」と名付けたこの計画では、2021年時点で電動化車両が「0」の状況から、2027年までに全ラインアップを排出ガス「0」モデルとし、自動車業界全体で最も早く電動化へ移行するという大胆な目標が掲げられています。また、毎年1つの新型モデルを投入することも計画に盛り込まれています。

2022年 - TonaleハイブリッドとプラグインハイブリッドQ4がデビュー。
2023年 - アルファ ロメオが「カスタム仕様車」の世界に戻り、33 Stradale(電気自動
車と内燃機関バージョン)を発表。
2024年 - アルファ ロメオ初の100%電気自動車を含めたMilanoを発表予定。
2025年 - 初の100%電気自動車専用モデルを発表予定。
2027年 - アルファ ロメオの全ラインアップが100%電気自動車へ。

-    妥協のない品質基準 - ブランドすべての戦略的な取り組みが厳格に遂行されたことで、その成果はすぐに世界で認められました。2022年11月に発表されたJ.D.パワー米国販売満足度指数調査では、アルファ ロメオが2021年度に比べて獲得ポイントを25ポイント増やし、プレミアムセグメントで最も大きな改善を達成しました。そして、順位を8つ上げ、プレミアムブランドで1位にランクされました。
一年後のJ.D.パワー米国初期品質調査(IQS)では、アルファ ロメオがプレミアムブランドの総合ランキングで表彰台の頂点に立ち、業界全体でも3位に入りました。順位は一気に24位上がり、IQSの業界調査において最大の伸びを記録しました。

-    残存価値の向上 - 厳格な在庫管理方針とラインアップ戦略によって実現しました。

2023年の明白な成長

これらすべてが適切な役割を果たした結果、厳しい市場環境に見舞われた2023年の終わりを前に、アルファ ロメオは以下のようなパフォーマンスを記録しています。
販売は全世界で着実に伸びており、11月までの数字では、2022年比で34%増を示しています。
なかでも欧州では53%という堅調な伸びを見せています。
中東・アフリカは95%の増加で、最も急成長をしている地域です。また、シンガポールと香港でアルファ ロメオが存在感を高めているインド・アジア太平洋地域も、6%の成長で貢献しています。北米では、9月にデビューしたTonaleが大きな期待とともに迎えられました。同様に中国でも、Tonaleの導入でラインアップが完成しました。この2つの地域は戦略的に重要であり、アルファ ロメオは成長するための理想的な条件を作り出すために、大規模な投資を行っています。

アルファ ロメオのエンブレムに見るミラノの歴史

自動車のグリルに飾られるエンブレムほど、そのメーカーのアイデンティティを雄弁に物語るものはありません。創立当初は A.L.F.A. と呼ばれ、後にアルファ ロメオとなった自動車メーカーにとって、そのエンブレムはミラノに起源を持つことを再確認するためのものでした。長年にわたり、そのバリエーションは、会社とイタリアの歴史において起きた出来事を反映してきました。ミラノ市の十字架、ヴィスコンティ家のビショーネ(蛇)、そして ALFA ROMEO の文字(1918年までは A.L.F.A. のみ)は、創業以来、常にブランドの象徴であり続けてきました。
1910年6月24日、A.L.F.A.(Anonima Lombarda Fabbrica Automobili)という新しい会社が正式に登記され、社長である貴族のウーゴ・ステッラはジュゼッペ・メロージに、これから生産する自動車のラジエーターに飾るエンブレムの作成を依頼しました。歴史書によると、次のような話が伝わっています。若き製図家のロマーノ・カッタネオが、ある朝14番の路面電車を待っていたときに、カステッロ広場にあるフィラレーテの塔で見たヴィスコンティ・ビショーネに衝撃を受け、そのことをメロージに話しました。ピアチェンツァ生まれのデザイナー(メロージ)はその提案を受け入れただけでなく、その場ですぐさま同僚のためにエンブレムのスケッチを描きました。同時に、白地に赤色の十字架を加え、金色で縁取った青地の丸い枠で全体を囲み、そこに「A.L.F.A.」と「MILANO」の文字を入れ、その間を2つのサヴォイ家の飾り結びで区切りました。このスケッチはウーゴ・ステッラによって承認され、カッタネオ自身が製作の最終デザインを任されました。最初の大きな変化があったのは1919年で、ニコラ・ロメオに買収されたことにより、エンブレムに「ALFA ROMEO」の文字が入りました。1925年、GPマシンの Tipo P2 がグランプリ世界選手権で初優勝したことを記念して、エンブレムの周りに月桂冠が追加されました。第二次世界大戦後、エンブレムは全面的に見直されました。サヴォイ家の飾り結びは、イタリア共和国の成立とともに2本の波線に代わり、エンブレムは様式化されてダイキャスト金属製となり、単色に塗られました。1950年からは、「1900」でエナメル加工された真鍮製のエンブレムが復活し、1960年には同じものがプラスチック製に代わりました。1972年、工場がポミリアーノ・ダルコに建設されると、「MILANO」の文字が消えました。同時に、ビショーネの図案が簡素化され、とぐろを巻いている部分がなくなりました。1982年には更なる様式化が加えられ、月桂冠がゴールドのラインに代わりました。2015年6月24日、オープンしたばかりのアルファ ロメオ・ミュージアムで行われた Giulia(ジュリア)の発表会で、新たなエンブレムが披露されました。

以上


※ 当リリースは、本国にて2023年12月14日に発行されたプレスリリースの抄訳です。
https://www.media.stellantis.com/em-en/alfa-romeo